職場や私生活で近年増加中の『ハラスメント』。言う方、言われる方が理解していない場合もあります。
一体、何がハラスメントなのかを勉強しましょうね!
ハラスメント
ハラスメントは、広義には「人権侵害」を意味し、性別や年齢、職業、宗教、社会的出自、人種、民族、国籍、身体的特徴、セクシュアリティなどの属性、あるいは広く人格に関する言動などによって、相手に不快感や不利益を与え、その尊厳を傷つけることを言います。
近年、職場における「ハラスメント」が急増し、人事管理上、深刻な問題となっています。
特に職場で起こりやすい『パワハラ』『セクハラ』『育児・妊婦などのハラスメント』の3つです。
しっかり勉強しますね!
- パワーハラスメントの定義
- セクシュアルハラスメントの定義
- 妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの定義
- 知っておくべきハラスメントの35種類
- 1・セクシャルハラスメント(セクハラ)
- 2・セカンドハラスメント(セカハラ)
- 3・パワーハラスメント(パワハラ)
- 4・モラルハラスメント(モラハラ)
- 5・アルコールハラスメント(アルハラ)
- 6・ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
- 7・アカデミックハラスメント(アカハラ)
- 8・リストラハラスメント(リスハラ)
- 9・テクスチュアルハラスメント(テクハラ)
- 10・キャンパスハラスメント(キャンハラ)
- 11・スクールセクシャルハラスメント(スクハラ)
- 12・ドクターハラスメント(ドクハラ)
- 13・カラオケハラスメント(カラハラ)
- 14・スモークハラスメント(スモハラ)
- 15・ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)
- 16・テクノロジーハラスメント(テクハラ)
- 17・エレクトロニックハラスメント(エレハラ)
- 18・エイジハラスメント(エイハラ)
- 19・シルバーハラスメント(シルハラ)
- 20・マリッジハラスメント(マリハラ)
- 21・ペットハラスメント
- 22・スメルハラスメント(スメハラ)
- 23・エアーハラスメント(エアハラ)
- 24・ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
- 25・就活終われハラスメント(オワハラ)
- 26・家事ハラスメント(カジハラ)
- 27・ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)
- 28・パーソナルハラスメント(パーハラ)
- 29・マタニティハラスメント(マタハラ)
- 30・ラブハラスメント(ラブハラ)
- 31・レイシャルハラスメント(レイハラ)
- 32・レリジャスハラスメント
- 33・ヌードルハラスメント(ヌーハラ)
- 34・フォトハラスメント(フォトハラ)
- 35・カスタマーハラスメント(カスハラ)
パワーハラスメントの定義
職場のパワーハラスメントとは
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
「職場」とは
事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。
勤務時間外の「懇親の場」、社員寮や通勤中などであっても、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加や対応が強制的か任意かといったことを考慮して個別に行う必要があります。
「職場」の例:出張先、業務で使用する車中、取引先との打ち合わせの場所(接待の席も含む)等
「労働者」とは
正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員などいわゆる非正規雇用労働者を含む、事業主が雇用する全ての労働者をいいます。
また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者(派遣先事業主)も、自ら雇用する労働者と同様に、措置を講ずる必要がある。
①「優越的な関係を背景とした」言動とは
業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者とされる者(以下「行為者」という。)に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指します。
● 例
・職務上の地位が上位の者による言動
・同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは
社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指します。
● 例
・業務上明らかに必要性のない言動
・業務の目的を大きく逸脱した言動
・業務を遂行するための手段として不適当な言動
・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況(※)、行為者の関係性等)を総合的に考慮することが適当です。
その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要です。なお、労働者に問題行動があった場合であっても、人格を否定するような言動など業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動がなされれば、当然、職場におけるパワーハラスメントに当たり得ます。
※ 「属性」・・・・・(例)経験年数や年齢、障害がある、外国人である 等
「心身の状況」・・(例)精神的又は身体的な状況や疾患の有無 等
③「就業環境が害される」とは
当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。
この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当です。
なお、言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。
セクシュアルハラスメントの定義
職場のセクシュアルハラスメントとは
「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
「職場」とは
労働者が通常働いているところはもちろんのこと、出張先や実質的に職務の延長と考えられるような宴会なども職場に該当します。
「労働者」とは
正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、契約期間や労働時間にかかわらず、事業主が雇用するすべての労働者です。
また、派遣労働者については、派遣労働者のみならず、派遣先労働者のみならず、派遣先事業主も、自ら雇用する労働者と同様に取り扱う必要があります。
「性的な言動」とは
性的な内容の発言や性的な行動のことをいいます。
○性的な内容の発言の例
性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(うわさ)を流すこと、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなど
○性的な行動の例
性的な関係を強要すること、必要なく身体に触れること、わいせつ図画を配布・掲示すること、強制わいせつ行為、強姦など
セクシュアルハラスメントの行為者とは?
事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者、学校における生徒なども行為者になり得ます。男性も女性も、行為者にも被害者にもなり得ます。
また、異性に対するものだけでなく、同性に対する性的な言動もセクシュアルハラスメントになります。
被害者の性的指向※1や性自認※2に関わらず、性的な言動はセクシュアルハラスメントに該当します。
※1 性的指向:人の恋愛・性愛がいずれの性別を対象とするか
※2 性自認:性別に関する自己認識
セクシュアルハラスメントが起こりやすい職場で見られる言動とは?
「男らしい」「女らしい」など、固定的な性別役割分担意識※3に基づいた言動は、セクシュアルハラスメントの原因や背景になってしまう可能性があります。
※3 性別役割分担意識:「男性は外で働き、女性は家庭を守るべきである」といった性別に基づく役割意識のことです。
日頃から自らの言動に注意するとともに、上司・管理職の立場の方は、部下の言動にも気を配り、セクシュアルハラスメントの背景となり得る言動についても配慮することが大切です。
妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの定義
職場の妊娠・出産・育児休業等ハラスメントとは
「職場」※1において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業、介護休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した「女性労働者」※2や育児休業・介護休業等を申出・取得した「男女労働者」※2の就業環境が害されることをいいます。
これらは、マタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)、ケアハラスメント(ケアハラ)と言われることもあります。
「職場」とは
労働者が通常働いているところはもちろんのこと、出張先や実質的に職務の延長と考えられるような宴会なども職場に該当します。
「労働者」とは
正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、契約期間や労働時間にかかわらず、事業主が雇用するすべての労働者です。
また、派遣労働者については、派遣労働者のみならず、派遣先労働者のみならず、派遣先事業主も、自ら雇用する労働者と同様に取り扱う必要があります。
○妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いは禁止されています!
妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等を理由として、事業主が行う解雇、減給、降格、不利益な配置転換、契約を更新しない(契約社員の場合)といった行為は「ハラスメント」ではなく「不利益取扱い」となります。
例えば、妊娠したことを伝えたら契約が更新されなかった、育児休業を取得したら降格させられた、等が不利益取扱いに該当し、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法違反となります。
妊娠・出産・育児休業等ハラスメントに該当しない例もあります
「業務上必要な言動」はハラスメントに該当しません。ただし、労働者の意を汲まない一方的な通告はハラスメントとなる可能性があります。
●制度等の利用を希望する労働者に対して、業務上の必要性により変更の依頼や相談をすることは、強要しない場合に限りハラスメントに該当しません。
●妊婦本人はこれまで通り勤務を続けたいという意欲がある場合であっても、客観的に見て妊婦の体調が悪い場合に、業務量の削減や業務内容の変更等を打診することは、業務上の必要性に基づく言動となり、ハラスメントには該当しません。
知っておくべきハラスメントの35種類
1・セクシャルハラスメント(セクハラ)
性的嫌がらせ。
2・セカンドハラスメント(セカハラ)
セクハラを会社に訴えたがゆえに、会社から圧力を受ける二次被害。
3・パワーハラスメント(パワハラ)
職務上の優位性を背景に、精神的や身体的な苦痛を与えること。
4・モラルハラスメント(モラハラ)
言葉や態度による精神的に継続的な嫌がらせ(無視など)
5・アルコールハラスメント(アルハラ)
アルコールを無理やり飲ませること
6・ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
男らしさ・女らしさという概念から強要する嫌がらせ
7・アカデミックハラスメント(アカハラ)
大学教授が学生に行う嫌がらせ
8・リストラハラスメント(リスハラ)
リストラ対象者に対する嫌がらせ。(パワハラの一種)
9・テクスチュアルハラスメント(テクハラ)
文章上の性的嫌がらせ。例えば、「女なのにこんな文章を書けるはずがない」「Aは男のはず」など・・・。
10・キャンパスハラスメント(キャンハラ)
各種のハラスメントが大学(キャンパス)で行われること。
11・スクールセクシャルハラスメント(スクハラ)
学校で教師が児童生徒に対して行う性的いやがらせ。
12・ドクターハラスメント(ドクハラ)
診察する立場である医者が、言動・態度・雰囲気により患者が不快な思いをさせたり、精神的なストレスを負わせること。
13・カラオケハラスメント(カラハラ)
歌いたくない人に無理やり歌わせる嫌がらせ。
14・スモークハラスメント(スモハラ)
喫煙者が非喫煙者に行う嫌がらせ。
15・ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)
血液型が与える印象で、血液型の分類による決め付けや偏見やいじめ
16・テクノロジーハラスメント(テクハラ)
パソコンやスマートフォンなどのハイテクノロジー技術に詳しい人が、そうでない人にする嫌がらせ。
17・エレクトロニックハラスメント(エレハラ)
電磁波や電波といったエネルギー媒体による嫌がらせ。例えば、低周波の音波を流し続けるなど・・・
18・エイジハラスメント(エイハラ)
年齢に関しての嫌がらせ。もういい年のクセに・・・などの言動があたる。
19・シルバーハラスメント(シルハラ)
60歳以上のシルバー世代に対する嫌がらせ。介護を必要とする高齢者に肉体的・精神的いじめること。
20・マリッジハラスメント(マリハラ)
未婚者に対して執拗に「結婚しないの?」等という圧力や嫌がらせ。
21・ペットハラスメント
飼い主が公の場でリードをつけなかったり、リードが長すぎたりして、動物が好きではない人に対して恐怖を与えてしまうなどの嫌がらせ。
22・スメルハラスメント(スメハラ)
口臭や体臭。強すぎる香水や柔軟剤。これらで他人を不快にさせる行為。
23・エアーハラスメント(エアハラ)
空調に関する嫌がらせ。暑い日でもエアコンの使用を禁じたり、寒がる同僚がいてもかまわず温度を下がる行為など。
24・ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
TwitterやFacebookなどのSNSに職場の上下関係が持ち込まれてトラブルやストレスの原因となること。部下に友達申請を迫ったり、自分の投稿に「いいね」を強要したり、部下の投稿に「いいね」をして、監視されているようなプレッシャーを与えること。
25・就活終われハラスメント(オワハラ)
企業が学生に、内定と引き換えに就活(就職活動)を終わるように迫ることです。
26・家事ハラスメント(カジハラ)
家庭内での家事の分担などに関して発生する嫌がらせ。女性の家事・育児・介護などが過小評価される状態。他にも、夫が行った家事を妻が執拗に駄目だしする行為も該当します。
27・ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)
交際している男女のうちで、結婚を踏み切らない相手に対して、雑誌の「ゼクシィ」をちらつかせて、結婚へのプレッシャーをかけること。
28・パーソナルハラスメント(パーハラ)
個人的な趣向や容姿・クセなどパーソナルな面について文句をつけたり、いじめたりする行為。「へ~君変わってるね~」等があたる。
29・マタニティハラスメント(マタハラ)
妊娠している、または出産した女性に対し業務上の支障をきたすという理由で嫌がらせを行うこと。
30・ラブハラスメント(ラブハラ)
恋愛に関する話題で相手に精神的苦痛や不快感を与えること。「彼女いないの?」「恋人を作る為には、動かなきゃ」など、プレッシャーを与える言動など。
31・レイシャルハラスメント(レイハラ)
人種差別による差別。外国人やハーフに対する偏見やいじめや不当な取扱。
32・レリジャスハラスメント
宗教関係者から受ける、精神的・肉体的・経済的な苦痛。圧力をかけて強制的に入信させられたり、退会を阻止したりする行為。
33・ヌードルハラスメント(ヌーハラ)
麺類などをすする音で、周囲に不快感を与えること。
34・フォトハラスメント(フォトハラ)
写真に関するハラスメント。相手の許可を得ず撮影することや、勝手にSNSなどにアップするなど。
35・カスタマーハラスメント(カスハラ)
消費者による自己中心的で理不尽な要求によるハラスメント。
店員などに土下座をさせたり、何度もクレームの電話を入れたり、難癖をつけて支払を拒んだり賠償金を強要する行為。
対策・法的措置
ハラスメント相談窓口は設置義務がある
2020年6月1日、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の施行に伴い、ハラスメント防止対策が強化されています。その一つとして打ち出されたのが、ハラスメント相談窓口設置の義務化です。
パワハラ防止法という通称から見ても、パワーハラスメントへの社会的な厳しい視線が伺えますが、ハラスメント相談窓口では、職場における他者からのさまざまなハラスメントを扱います。
パワハラだけではなく、職場でのハラスメント全般について一元的な相談窓口を置くことで、労働者がより声を上げやすい環境の整備を目指します。
今回の実施に関しては企業規模によって多少異なり、大企業については2020年6月1日をもって義務化となります。中小企業については努力義務とし、2022年4月1日から義務化されます。
なお、セクハラ・マタハラの相談窓口については、中小企業についてもすでに義務化となっています。
ハラスメント相談窓口の設置義務を怠ると法律違反の対象となり、厚生労働大臣からの勧告や企業名の公表といった社会的制裁措置の可能性があります。
ハラスメントをする、または兆しのあるような危険人物はいませんか?
暴言を吐いているや怒鳴る・・・これは誰でもわかりますよね!
しかし・・・
ニコニコして優しそう!いや、優しいのであり得ない・・・
そんな人らも危険人物かもしれません。
職場の危険人物の特徴を知れば、回避できますよ!
危険な人物とは・・・
参考:ハラスメント悩み相談室
https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/
『ハラスメント』って意外に多いと思いませんでしたか?
絶対に言ってはいけないのではなくて、信頼関係を築く中で、気を付けていれば、より、人間関係が深まると思います。
何より、言う方は、『そんなつもりではなかった』と考えるより、『これを言えば相手がどう思うのか!』を知ることが重要ですよ!
【このブログ記事を書いた人の自己紹介】