お正月に行く初詣!その由来や作法など詳細なことを知っている方は殆どいないかと思います。
今回は、そんな当たり前のような初詣に関して、一度、勉強してみましょうね!
初詣とは?
初詣・初詣で(はつもうで)とは、年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事。
一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願したりする。初参・初参り(はつまいり)ともいう。
初詣の歴史や由来。いつから始まって広まった?
初詣とは新しい年が明けて初めて、お寺や神社へお参りすることです。
お正月の3が日や松の内(7日、または15日まで)、遅くても1月中くらいまでには初詣に行くという方が多いのではないでしょうか。
初詣の由来は平安時代からある「年籠り(としごもり)」という風習から来ていると言われています。
大晦日から元旦にかけて氏神様のいる神社にこもり、新しい年の豊作や安全を夜通し祈願するという風習です。
やがて、年籠りの風習は大晦日にお参りをする「除夜詣」と元旦にお参りをする「元日詣」の2つに分かれます。
江戸時代頃までは元日詣では「恵方詣」とも呼ばれ、その年の恵方の方角にあるお寺や神社を参拝していました。
その後、時代の流れとともに簡略化され元日のお参りだけが残り、交通網の発達により氏神様や恵方にこだわらずに好きなお寺や神社にお参りに行くようになりました。
「初詣」という言葉が使われるようになったのは大正時代頃と言われています。
初詣ランキング
1位 明治神宮(東京都) /例年の人出:318万人前後
所在地:東京都渋谷区代々木神園町1-1
主祭神:明治天皇と昭憲皇太后
創建:大正9年
正月三が日行事:1月1日=歳旦祭
新年除災招福祈願を受付、干支が描かれた土鈴と絵馬を授与。
第2位 成田山新勝寺(千葉県)/例年の人出:311万人前後
所在地:千葉県成田市成田1
宗派・本尊:真言宗智山派(大本山)・不動明王(大聖不動明王)
創建:天慶3年(940年)
正月三が日行事:1月1日=元朝大護摩供、新春航空安全祈願祭(成田国際空港)、新春大祈祷会(~28日)平和大塔特別祈祷会(~28日)
護摩祈祷、厄除けお祓いを実施、正月限定の初詣開運御守、守護矢などを授与。
第3位 川崎大師平間寺(神奈川県)/例年の人出:308万人前後
所在地: 神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
宗派・本尊:真言宗智山派(大本山)・弘法大師
創建:大治3年(1128年)
正月三が日行事:1月1日=元朝大護摩供(がんちょうおおごまく)
お護摩修行、自動車交通安全祈願なども行なわれます。
第4位 浅草寺(東京都)/例年の人出:293万人前後
所在地:東京都台東区浅草2-3-1
宗派・本尊:聖観音宗(本山)・聖観世音菩薩(絶対秘仏)
創建:推古天皇36年(628年)
正月三が日行事:12月31日~1月6日=修正会(しゅしょうえ)、1月1日~1月7日= 新年大祈祷会(しんねんだいきとうえ)
元旦から7日に限り「開運厄除札」、「愛染宝弓」を授与。
第5位 伏見稲荷大社(京都府)/例年の人出:250万人前後
所在地:京都府京都市伏見区深草藪之内町68
主祭神:稲荷大神(宇迦之御魂大神ほか4柱の総称)
創建:和銅年間(708年〜715年)
正月三が日行事:1月1日=歳旦祭
1月1日〜1月2日は終日授与所開所。
第5位 鶴岡八幡宮(神奈川県)/例年の人出:250万人前後
所在地:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
主祭神:八幡神(応神天皇・比売神・神功皇后)
創建:康平6年(1063年)
正月三が日行事:1月1日=歳旦祭、1月3日=元始祭
1月1日〜1月3日は終日授与所開所。
第7位 住吉大社(大阪府)/例年の人出:234万人前後
所在地:大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
主祭神:底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)・神功皇后(じんぐうこうごう)
創建:神功皇后摂政11年
正月三が日行事:1月1日=若水の儀・元旦祭、1月3日=元始祭。
第8位 熱田神宮(愛知県)/例年の人出:230万人前後
所在地:愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1
主祭神:熱田大神(あつたのおおかみ)、三種の神器のひとつである草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀る
創建:仲哀天皇元年
正月三が日行事:1月1日=歳旦祭、1月3日=元始祭。
第9位 武蔵一宮氷川神社(埼玉県)/例年の人出:210万人前後
所在地:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
主祭神:須佐之男命 (すさのおのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)、大己貴命 (おおなむちのみこと)
創建:第5代孝昭天皇3年
正月三が日行事:1月1日=歳旦祭、1月2日=日供始祭、1月3日=元始祭。
第10位 太宰府天満宮(福岡県)/例年の人出:200万人前後
所在地:福岡県太宰府市宰府4-7-1
主祭神:菅原道真公
創建:延喜19年(919年)
正月三が日行事:1月1日=歳旦祭、1月3日=元始祭
三が日は24時間開門、吉例の『鷽替え神事』は1月7日に執り行なわれます。
初詣に関するアンケート
初詣に行った人は5割超
Q.2017年の初詣に行きましたか?
行った 56.6%
行っていない 43.4%
家族・親戚と一緒に行った人が7割
Q.初詣には誰と行きましたか?(複数回答可)
1位 家族・親戚 72.2%
2位 恋人 12.8%
3位 その他 9.7%
4位 友人・知人 9.3%
5位 仕事仲間・上司など 1.8%
地元の寺社で済ませる人が多い
Q.どの寺社に行きましたか?
地元の寺社だけで済ませた 70.9%
有名な寺社に足を伸ばした 29.1%
初詣に行かなかった理由は?
Q.初詣に行っていない理由を教えてください(「初詣に行っていない」と答えた人に質問。)
■仕事のため
・「ずっと仕事をしていて初詣に行く時間がないから、落ち着いたら行きたいと思っています」(38歳女性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「大みそかから3日まですべて仕事なので……」(36歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「仕事で時間が取れなかった」(51歳男性/通信関連/営業関連)
■人混みが苦手
・「混雑が大変だから行かない」(49歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「人混みが多いので行きたくない」(38歳男性/インターネット関連/販売・サービス関連)
・「毎年、人混みが苦手で行っていない、行くとしてもだいぶ後から」(32歳男性/その他/その他・専業主婦等)
■面倒くさい・興味がない
・「行くのが面倒、行くことでご利益があるとは思えないから」(34歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「面倒くさいから」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「特に興味がない」(39歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
■病気・ケガのため
・「インフルエンザになった」(42歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「入院中」(45歳男性/百貨店/事務・企画・経営関連)
・「31日に足をケガしたので動きたくない」(40歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
■子どもがいるため
・「子どもが生まれたばかりで、あまり外に出歩けないから」(34歳男性/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)
・「子どもが小さいので」(41歳女性/その他/その他・専業主婦等)
■その他
・「寒いから」(22歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「神様を信じていないから」(53歳男性/その他電気・電子関連/販売・サービス関連)
・「正月に外出するのが嫌いだからです」(34歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「行く相手がいない」(44歳男性/フィットネスクラブ/事務・企画・経営関連)
神社参拝の基本の作法が知りたい!
実は、神社にお参りするときの作法に、厳格なきまりというのはありません。
敬意の表し方は人それぞれ。なによりも心を込めてお参りすることが大事です。また、神社や地域によっても特色があります。
とはいえ、できるだけていねいにお参りしたいと思えば、正しい作法を知っておきたいと思うのは当然なこと。
ここでは一般的な参拝作法、マナーをまとめてみました。
鳥居をくぐる前に一礼を
鳥居は神社の外と内を分ける意味があるとされ、ここから中は神様の領域であることを示しています。
目上の人の家を訪問するような気持ちで、一礼してからくぐるのがていねいな所作。
参拝を終えて退出するときも、向き直って一礼するのがよいでしょう。
参道は真ん中を避けて歩く
参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様の通る道だと言われています。
ここを避けて、少し左右に寄って歩くとよいでしょう。
また、横切るときは軽く一礼したり、または中央で神前に向き直って一礼するのも、敬意の表し方ですね。
手水舎では手、口を清める
拝殿など、お参りする場所に近づくと、手水舎(てみずや、ちょうずや)があるはずです。
ここは水でみそぎをして、「心身を清める場」という意味があります。上手に手水(てみず、ちょうず)を使ってみましょう。
1:ハンカチなどを取り出しやすい場所に用意してから、右手でひしゃくを持ち、水を汲んで、左手を洗う
洗った水が、水盤(きれいな水が貯まっているところ)の中に戻らないように注意。使う水は1つの動作ごとに1/3が目安です。
2:左手に持ち替え、右手を洗う
3:右手に持ち替え、左の手のひらに水を受けて、口をすすぐ
ひしゃくに直接口を付けないこと。含んだ水を出すときはひざをかがめ、左手で口元を隠すとスマートです。
水の状態によっては、水を口に入れることに抵抗がある場合もあるでしょう。そんなときは無理に行う必要はありません。神様もきっと事情を察してくださるはず。
4:ひしゃくを立てて、残った水が柄(持ち手)に流れるようにして柄を洗う
5:もとあった場所に伏せて戻す
以上を1杯の水で済ませるのが美しい所作。
水をざばざばと浪費せず、心静かに行いましょう。
ちなみに、茶道でもこの手水の作法はあるのだとか。
お賽銭を納める時の順番は?
お賽銭箱の上に鈴があるときは、それを鳴らすことがあります。その音色で、参拝者をはらい清めるという意味があるそうです。
まず鈴を鳴らし、お参りの気持ちを整えましょう。その後、お賽銭を入れます。
投げ入れることで穢れをはらうという意味もあるといわれますが、かといって強く投げる必要はまったくありません。
心を込めて、ていねいに入れましょう。
お参りは「二礼二拍手一礼」
二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)が、現在のお参りの基本作法となっています。二拝二拍手一拝ともいいます。
1:一度姿勢を正し、深いお辞儀を2回行う
2:胸の高さで、右手を少し引いて(ずらして)手を合わせる。肩幅程度に両手を開き、2回打つ
3:手をきちんと合わせ、心を込めて祈る
4:深いお辞儀をする
神社によっては、拍手の回数が違うところなども。もしやり方を教えてくれる看板があれば、それにならうのがいいでしょう。
その他よくあるマナーの疑問Q&A
お参り前に知っておきたい豆知識やマナーをQ&A方式でお伝えします。
Q. 御朱印はいつもらえばいい?
御朱印は「参拝した証し」のようなもの。ですので、参拝した後にいただくようにしましょう。
当然ですが記念スタンプではないので、ノートなどにお願いするのはNG。
御朱印帳を用意しておきましょう。初めてなら、授与所(社務所)などで購入できます。
受付時間には限りがあり、時間内でも、書き手不在などで授与できない場合もあります。
そもそも御朱印を授与していない神社も多くありますので、行きたい神社のHPを事前に確認しておくのがおすすめです。
Q. 引いたおみくじはどうする?
境内の木の枝などに結んで帰ることが多いおみくじ。「願いごとがしっかり結ばれますように」との思いを込めた行為なのだとか。枝に結びつけるのは、木の生命力にあやかってのこと。
とはいえ、あまり多いと木も弱るので、専用の結び台が用意されている場合は、そちらに結ぶようにしましょう。
おみくじは、単なる吉凶判断ではなく、書いてある内容から「神意」を感じ取って、その後の生活の指針として役立てていくもの。持って帰って、ときどき読み返すのもよいとされています。
Q. お守りを買うタイミングは?
これも御朱印と同様、参拝を済ませた後にしましょう。
Q. お守りはいくつも持っていていいの?
「たくさん持っていると神様同士がケンカしてしまうのでは?」といわれることもありますね。でも心配ご無用。
八百万(やおよろず)の神といわれるように、日本にはたくさんの神様がいます。それぞれの「ご神徳」で守ってくれるので、大事にする気持ちがあればいくつ持っていてもかまいません。
Q. お守りの返し方は?
一年間ご加護を願ったお守りは、年末に神社に納め、お焚き上げをしてもらいましょう。もちろん、願いが叶うまでずっと身に付けていてもかまいません。その場合は「願いを叶えていただいた」と感じられたら、感謝の気持ちを込めてお参りに行きましょう。
【神職の狩野英孝さんが参拝方法をアドバイス】
狩野 英孝(かの えいこう、1982年(昭和57年)2月22日生まれ)は日本の男性お笑いタレント、YouTubeである。マセキ芸能社に所属。櫻田山神社で神職も務めている。
まとめ
正月に初詣に行くことは、一年の初めにこうしていきたいという思いや決意を自分に言い聞かせることです。
神頼みとは言いますが、結局、自分が最終的にどう思うか、行動できるか、改善できるか、などのきっかけを初詣でするのではないかと思います。
初詣ですべて願いが叶うのであれば、何もしなくてもいいですよね(苦笑)
しかし、そんな訳にはいきませんね。
いつの時代も、人は仕事や健康、人間関係、勉強などの悩みを持ち続けているのも歴史を振り返ると分かります。
そんな不安を払拭する、みんなが初詣をしているから自分も初詣をすると、きっと自分も良い一年を過ごせるに違いない、そんな考えが無意識に自分の中にあるのではないでしょうか。
初詣でみなさんが良い一年になりますように!
https://sp.jorudan.co.jp/newyear/rank.html【参考:初詣特集2021サイト】
http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/sanpai/【参考:東京神社庁ホームページ】