視聴率をテレビや雑誌で見たりするけど、どのように計算しているのか?
本当に視聴率は正しいのか?
その疑問を解明するために勉強しましょうね!
視聴率の計算の仕方とは?
2020年TBS日曜劇場「半沢直樹」(日曜後9・00)の最終回(第10話)(9月27日)のTBS系日曜劇場『半沢直樹』(毎週日曜 後9:00)最終話(第10話)が27に日放送され、平均視聴率が32.7%(世帯)という高視聴率でした。
ところで皆さんは、「視聴率」はどのように集計されているのかご存知でしょうか?
視聴率というのは、テレビをも持っている世帯の何%がその番組を視聴したかを推定した数値です。
その数値は「ビデオリサーチ」という会社が主に調査しています。
ビデオリサーチ社が、データを収集するための世帯を無作為に選び出し、視聴状況を調べています。
主な方法は、モニター世帯が持っているテレビに、専用のPM(ピープルメータ)システムというものを使うと、「世帯視聴率」だけではなく、世帯内の4歳以上の家の中で、誰がどれくらいテレビを視聴したかという「個人視聴率」も調べることができます。
一般に視聴率といえば、テレビを所有する世帯のうち、どれくらいの世帯がその番組にチャンネルを合わせていたのかという世帯視聴率のことを指します。
視聴率調査は、それぞれエリアごとに行われており、調査対象となる世帯は、PMシステムによる調査をする世帯が関東・関西・名古屋地区で各600世帯。それ以外のシステムによる調査は、年間を通じて調査されている世帯が8地区に各200世帯、ひとつきのうち2週間だけ調査されている世帯が16地区に各200世帯あります。
モニター世帯に取り付けられた機器によって、視聴率は1分ごとに調べられます。
これを「毎分視聴率」といい、毎分視聴率の合計を番組の放送時間(分数)で割って「番組平均視聴率」を出します。
番組平均視聴率が40%を超えたということは、日本では10世帯のうち4世帯が、その番組を見ていたということになります。
視聴率にも誤差がある?
「誤差」とは何か?
例えば、どの目にも重心が偏ることなく精密につくられたサイコロを振ったときに、1の目が出る確率は6分の1です。
確率で言えば、6回に1回、または12回に2回、600回では100回、1の目が出るということになります。
しかし、実際にやってみると必ず6回に一度、1の目が出るとは限りません。
2つの目が2回出たり、3の目がたまたま3回続くこともあります。
ただし、サイコロを振る回数を10万回、100万回とどんどん多くしていくと、1が出る回数はだんだん振った数の6分の1に近づいていきます。
統計ではこの「結果の違い」も考慮しなければなりません。確率では、「理論上、こうなる」ということを学びますが、統計では、この「結果の違い」も考慮しなければなりません。
確率では「理論上、こうなる」ということを学びますが、統計は、理論ではなく実際の現実を扱うものです。理論上の結果と、実際の現象の間には、必ず「誤差」が出てくるものなのです。
視聴率は意外と誤差が大きい?
視聴率調査は、統計の言葉で言うと「標本調査」というものになります。
標本調査とは、母集団の中からいくつかを標本として抜き出して調査し、その調査結果をもとに母集団の性質を推定する方法。
母集団というのは、視聴率調査で言えばテレビを所有している全世帯ということになります。
「標本調査」に対して「全数調査」という調査方法もあります。
母集団のすべてを調査する方法で、テレビを所有しているすべてを調査するのが「全数調査」ということになります。
当然全数調査を行えば、正しい視聴率を調べることができます。
しかし、全世帯を調査するには大きなコストと手間がかかり、大変であることから、視聴率調査は「標本調査」を採用しているのです。
「標本調査」は、一部の標本だけを対象に調査を行うので、すべてを調べた結果と誤差がでます。
全数値調査と比べると多いかもしれなし、少ないかもしれない。
これを「標本誤差」といいます。
誤差は標本数が多ければ多いほど、小さくなります。
ビデオリサーチ社で機器をとりつけて調べている世帯は、全国で6600世帯で、もし日本の全世帯がテレビを持っているとすると、母集団となる世帯数は、5000万世帯以上となります。
標本調査が行われているのは、母子集団の0.013%くらいになります。
母集団の1%に満たない標本数では、どれくらい誤差が出ているのでしょうか。
1%の差の本質とは
標本誤差は、ある数式で理論的に計算することができます。
ビデオリサーチ社は、この誤差を計算したものをサイトに搭載、その数値は、「関東地区(600世帯)での平均視聴率40%」の場合は、誤差が±4%あるそうです。
そうすると、平均視聴率40%超えは、実は、40%を超えていない可能性もあり得ますよね。
例えば、標本調査によって得られた視聴率は今回は20%でしたが、なんども標本調査を行って各回の比率を出すとすると、誤差が生まれて、19%になったり、21%になったりすることもあるでしょう。
標本の平均の標準偏差のことを標準誤差といいます。(また、標本の比率の標準偏差のことを、標準誤差)
このような比率の誤差を計算するときは、標準誤差で考えることができます。
標本視聴率をpとすると、データ数をnとすると、
$$\sqrt{p×(1-p)/n}$$
標本サイズ(データの個数)n は600、標本の視聴率pは0.2ですから、
$$\sqrt{0.2×(1-0.2)/600}$$
標本比率の標準偏差σは、0.016になります。%に直すと1.6%です。
1%で一喜一憂する人が大勢いるのが現実ですが、標本データには必ず誤差があることを皆さん、覚えておいてくださいね。
まとめ
2013年の半沢直樹の最終回は、視聴率40%を超えましたが、実際は36%だったかもしれませんね。視聴率には、数値の誤差があることを忘れないでくださいね!
ちなみに2013年と2020年の半沢直樹の全話の視聴率は、下記のとおりです。やはり、すごいとしか言いようがありませんね!(苦笑)
2013年半沢直樹の視聴率
1話は19.4% 、2話は21.8%、3話は22.9%、4話は27.6%、5話は29.0%、6話は29.0%、7話は30.0%、8話は32.9%、9話は35.9%、10話は42.2%
2020年半沢直樹の視聴率
1話は22.0%、2話は22.1%、3話は23.2%、4話は22.9%、5話は25.5%、6話は24.3%、7話は24.7%、8話は25.6%、9話は24.6%、10話は32.7%
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