子どもが小学校、中学校になると勉強、運動以外に人間関係に悩むことがあります!
そう、いじめ!わが子がいじめられている、または逆にいじめているということで問題にならないためにも、親が何が前兆であるのかを知っておく必要がありますよね!
今日は、いじめに関する勉強ですよ!
いじめとは?
2013年に成立・施行された「いじめ防止対策推進法」では、文部科学省はいじめについて以下のように定義しています。
児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
平成29年の内閣府の調査では、子どもの人権問題は何かという問に対し、以下の5つが上位にランクインしています。
1位:いじめを受けること
2位:虐待を受けること
3位:いじめ、体罰、虐待を見て見ぬふりをすること
4位:体罰を受けること
5位:学校や就職先の選択等に対し、子どもの意見を大人が無視すること
いじめが起こる原因
1. 異なるものへの拒絶反応
いじめの原因の中で最も多いのがこれです。
「みんなと違うことを言った」「みんなができることができない」など、“みんな”と違う存在がいることへの拒絶心から、いじめに発展してしまいます。
他にも、たとえば発達障害や本人の性質、出生、身体的な特徴などを理由に、嫌がらせを始めるケースもあります。
2. ストレス・フラストレーションの解消
いじめっ子が強いストレスを抱えている場合、暴力行為などで発散しようとすることがあります。
身体の小さい子や運動の苦手な子が標的にされることが多く、一旦いじめが解決しても、根本の問題が解決されない限りは、同じことを繰り返してしまうでしょう。
3. いじめっ子の家庭環境
虐待を受けていたり、両親が暴力的だったりするのも、いじめが起こる原因になります。
いじめっ子への責任を追及するあまり、メンタル面のフォローが足りず、非行などに走るケースもあるようです。
4. 自己保身、いじめられないため
「自分がターゲットにされるのが怖いから」という理由で、いじめに加担する、あるいはいじめを見て見ぬふりする子もいます。
5. おもしろ半分のちょっとしたいたずら心
おもしろ半分に、いじめをおこなってしまう子もいます。
最初はちょっとしたいらずらだったのが、段々と悪化し、引っ込みがつかなくなってしまうのです。
家庭環境が影響する
いじめっ子の親は日常的に子どもに対して批判、皮肉が多い
子どもがいじめの加害者になるのは、親として本意ではないはずです。しかし、家庭での子どもへの接し方が影響しているのは否定できません。
アメリカのアトランティック大学、カナダのコンコーディア大学、スウェーデンのウプサラ大学が1409人の思春期の男女を対象に行った共同研究によると、いじめなどを起こす子どもの親は、子どもに冷笑的、敵対的な態度をとっていたということがわかりました。
同研究では、日常的に親から批判されたり、皮肉を言われたり、からかわれていた子どもたちは感情が機能不全を起こし、怒りをコントロールができなくなる。
気持ちの統制がとれない精神状態が深刻化すると周囲に対する敵意が増して攻撃的になり、人をいじめることで発散するようになると報告しています。
また、いじめっ子になるだけでなく、いじめられっ子になる、つまりいじめの加害者、被害者のどちらにもなる恐れがあると指摘しています。
子どもは感受性が豊かなので、「そんなこともできないの?」「なぜ言うことがきけないの?ダメな子ね」など、親の何気ない言葉に深く傷つき「自分はできない子なのだ。だから愛されないのだ」といった自分を否定する気持ちを抱くようになります。
「親に認めてもらえない」「受け止めてもらえない」という満たされない思いが、言いようのない怒りにつながり、弱い相手などに向けられているのではないかと考えます。
いじめっ子の心理4事例
親が、「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから」とがまんを強いたり、「○○ちゃんの方が聞き分けがいいわよ」とほかの兄弟姉妹と比較したり、仕事の忙しさなどから十分に目をかけていない場合、心の中にさまざまな感情が芽生え、いじめっ子になってしまう場合があります。子どもの心理を詳しく見ていきましょう。
【愛されたい、かまってほしい】
親の気持ちが自分に向いていないと感じると、子どもの心の中には「愛されたい、かまってほしい」といった思いが芽生えます。
そして自分の方を向いてほしいという気持ちを素直に表現できず、乱暴な言葉や態度をとるなど、相手を悲しませたり困らせたりすることで気を引こうとします。
また、親から十分な愛情が得られない寂しさを「いじめ」という形で発散させてしまう場合もあります。
【「自分はできない子」など自己肯定感が低い】
「ちゃんと○○しなさい」「自分でできないの?早くしなさい」など、否定的な言葉を受け取っていると自分に自信が持てず、自己評価が低くなります。
例えば、自分は親から愛されていない、何をしても認められない、自分1人では何もできないなどです。
親や自分へのイライラがたまり、自分より弱い人にぶつけてしまう。そして、その人が自分に従うことで自分の存在が大きくなったように感じるのです。
【他の人をうらやましいと思う嫉妬心がある】
親が子どもを他の子と比べられたり、ほかの兄弟姉妹を優先したりしていると愛情不足に陥り、まわりに対して嫉妬心を抱きます。
「あの子は自分より愛されている」「あの子は自分よりも勉強・スポーツがよくできる」「あの子は自分より容姿が優れている」と、自分に自信が持てない部分に秀でている人をターゲットにしていじめてしまうことがあります。
家庭での嫉妬の心がくすぶると、子どもは自分自身を納得させるために「親は自分のことを大事に思っているに違いない」「自分の方がいいに違いない」と思い込むようになり、これが独占欲や競争心、プライドの高さにつながることがあります。
負けず嫌い、プライドが高いといった子どもは、誰かの下につくのを嫌います。みんなの上に立つことを考え、そのためにいじわるをすることもあります。
また人を支配する力があるのでいじめグループのリーダーになり、仲間にいじめをさせることもあります。
【気分の浮き沈みが大きいなど情緒が不安定】
親からの愛情が不足している場合だけでなく、親が過干渉で自分の理想などを押し付けると子どもは自由を奪われストレスを感じます。
また、子どもは「完ぺきな自分しか認められないのだ」と、不完全な自分を好きになることができず、精神的に不安定になります。
いじめは悪いことだとわかっていても、寂しさや不安を紛らわすためにいじめをしてしまうタイプも多くみられるようです。
いじめられる特徴・共通点
人は見た目が9割!不潔な子どもが持っている共通点
もしお子さんが以下の項目に該当するなら、今後いじめを受ける可能性があります。
男子は自慢タイプの性格に該当しないか診断チェック
思春期の中でも特に中学2年生という時期は、「他人からよく見られたい」と感じます。そのため人と違った行動をとったり、人に自慢をしたりします。
もしお子さんがテストで高得点をとったり、部活動で自分だけレギュラーになったことを友達に自慢していたら危険です。
それが友達からの妬みにつながり、いじめに発展する可能性があります。
またあなたの家が裕福な家庭で、お子さんが他の子が持っていないゲーム機や、スマホなどを持っていても危険です。それも妬みにつながるのでいじめに発展します。
例えあなたの家庭が裕福であっても、他の子と同じような生活をさせるようにしてください。なお、お子さんが他人に自慢をするというのは、家庭で認められていないことが原因です。
お子さんをほめる機会を増やしてください。これで自慢することが少なくなってきます。
【中2病など人と違った行動に注意】
中学2年生は人と違った行動をとりたくなる時期です。
例えば少し不良っぽい服を着たり、急に洋楽を聞き始めたりと、「俺はお前ら庶民とは違うんだよ」という雰囲気を出す子がいます。これもいじめに発展しやすいです。
傷つきやすい女子は被害者になりやすい
思春期は非常に心が不安定です。特に女子はちょっとしたことで傷つきやすいです。
あまり周りからの評判や言葉を気にせず、わが道を進める子であれば問題ないのですが、他人からの評判で傷ついてしまう子は、いじめられる可能性があります。
なぜならいじめというのは、いじめられた子が悲しんだり怒ったりという、反応を見せると楽しくなり悪化するからです。もしお子さんが些細なことで傷つきやすいタイプなら、
そんなもの放っておきなさい!気にしてたらダメ!!
と言ってはいけません。気にしたくなくても気にしてしまうからです。
この後紹介する思春期の子育て講座を参考にしながら、子どもの心に寄り添う接し方をしてあげてください。
兆しの発見・対策
中学年頃までの場合
子供が「学校でいじめられた」と言った時、まず子供の話をきちんと客観的に聞いてあげてください。
その上で本当にいじめなのかどうか親として見極めてください。
この年齢の子どもは、鵜呑みにせず、否定せず「そうか~そんなことがあったんだ~」と共感してあげるだけで、元気になり翌日も学校に行けることがよくあるのです。
親として、子供の話に共感するということは「いつでも親は自分の味方だ」という子供へのメッセージでもあるのです。
もし困ったことや、いじめにあったとしても、安心して親に相談できるような関係を作っておくことが大切です。
年齢が上がってくると子供の心の中もいじめの質も変わってきますが、こういう親子関係が本当のいじめの時に、早期発見の助けとなります。
高学年以降の場合
年齢が上がるほど、子供は学校であったことや、友達のことなどをあまり話さなくなる事が増えます。
以下の事からいじめられていることを親には打ち明けにくくなります。
- 親に心配かけたくない
- いじめられていることがカッコ悪いと思っている
- 自分が悪いからいじめられていると思っている
- 親に言ったら、もっとひどい目に遭うかもという恐れ
親として子供の様子の変化に気づいてあげることがとても大切です。
子供の様子が最近少し違う、と思うようなことがあったらチェックしてください。
家庭における「いじめ発見」チェックシート
≪言動・態度・情緒≫
□ 1.学校へ行きたがらない。「転校したい」や「学校をやめたい」と言い出す。
□ 2.ひとりで登校したり、遠回りして帰ってきたりするようになる。
□ 3.イライラしたり、おどおどしたりして落ち着きがなくなる。
□ 4.お風呂に入りたがらなかったり、裸になるのを嫌がったりする。
□ 5.部屋に閉じこもることが多く、ため息をついたり、涙を流したりしている。
□ 6.言葉遣いが乱暴になり、家族に反抗したり八つ当たりをしたりする。
□ 7.学校の様子を聞いても言いたがらない。友だちのことを聞かれると怒りっぽくなる。
□ 8.いじめられている友人の話、友だちや学級の不平・不満を口にするようになる。
□ 9.すぐに謝るようになる。
□ 10.無理に明るく振る舞おうとする。
□ 11.外に出たがらない。
□ 12.電話に敏感になる。友達からの電話にていねいな口調で応答する。
□ 13.「どうせ自分はだめだ」などの自己否定的な言動が見られ、現実を逃避することや死について関心を持つ。
≪服装・身体≫
□ 14.朝、腹痛や頭痛など、身体の具合が悪いと訴える。トイレからなかなか出てこなくなる。
□ 15.衣服の汚れが見られたり、よくケガをしたりするようになる。
□ 16.寝付きが悪かったり、眠れなかったりする日が続く。
≪持ち物・金品≫
□ 17.学用品や所持品、教科書を紛失したり、落書きされたり、壊されたりする。
□ 18.家庭から物品やお金を持ち出したり、余分な金品を要求したりする。
≪その他≫
□ 19.親しい友だちが家に来なくなり、見かけない子がよく訪ねてくるようになる。
□ 20.親の学校への出入りを嫌う。
※本チェックリストは、あくまで一例であり、各項目を確認することにより全てのいじめを発見できるという性質のものではありません。
各ケースについては本チェックリストを参照しつつ、個別の状況を踏まえて検討する必要があります。
迷わずに0120-0-78310(なやみ言おう)
文部科学省は、いじめや暴力に悩む子供や保護者を対象とした、24時間の相談窓口を設置しています。
ちょっとだけ勇気を出して相談しましょう。悩んでいることを言う気は必要かもだけど、勇気はいらないかもね。10桁の番号を押して「もしもし・・」するだけだし。スマホなら番号をタップするだけだし。
- 管理しているところ:文部科学省(外部リンク)
- 受付時間:24時間いつでも(休日もOK)
- 対象:全国共通(管轄地域につながる)
【このブログ記事を書いた人の自己紹介】
思春期の子どもというのは、上記のことに非常に敏感です。
最初は「あの子トイレ行ってもいつも流さないよ。臭い」といううわさから始まり、それがいじめに発展していきます。
もしこういった特徴があるなら、家で直せる部分は直してあげてください。