ある煙が赤ちゃんや子どもに与える影響は、皆さんご存知だと思います!
あの煙に関しては知らない事が多いかと思うので、一緒に学んでみましょう!
基礎知識
たばこの煙には三大有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素の他にも70種類以上の発がん性物質が含まれています。
普段たばこを吸わない人は、たばこの煙に対する感受性が高く、他人の煙を吸うと、少しの量でも大きな健康被害を受けるという報告があります。
また、2016年8月には国立がん研究センターより、受動喫煙による日本人の肺がんリスクは約1.3倍になることが発表されるなど、受動喫煙のリスクは科学的にも証明されています。
タバコから出る3つの煙
主流煙・・・・タバコを吸う人がフィルターを通って直接吸う煙。
副流煙・・・・タバコの先端の火のついた部分から出る煙。
呼出煙・・・・タバコを吸った人が吐き出した煙。
たばこの三大有害物質
- ニコチン・・・依存症にさせる作用があります。血管を収縮させ、血液の流れを悪くする作用もあり、動脈硬化を促進させる。
- タール・・・たばこのヤニの成分。発がん性物質や発がんを促進する物質が数十種類以上含まれる。
- 一酸化炭素・・・酸素を運ぶ機能を阻害し、酸素不足を引き起こします。動脈硬化を促進させる。
タバコのリスク
- 他人のたばこの煙を吸うだけで、喫煙者と同じ病気のリスクがある。
- たばこの煙は70種類以上の発がん性物質を含む。
- 分煙してもたばこの臭いを嗅いだだけで健康被害を受ける。
タバコの受動喫煙や副流煙によって、子供の健康にどんな影響があるのか?
タバコが子供に与える健康影響
・せき、痰、息切れなどの呼吸器への影響。
・肺炎や気管支炎、中耳炎。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)
等が考えられます。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、元気だった赤ちゃんが何の予兆や病歴のないまま、眠っている間に突然死亡する。
原因の分からない病気ではありますが、タバコは乳幼児突然死症候群(SIDS)発生の大きな危険因子として考えられています。
両親とも喫煙しない時に比較すると・・・
父親もしくは母親のみが喫煙の場合で乳幼児突然死症候群(SIDS)発生のリスクは2.5倍。
父親・母親ともに喫煙する場合で5.77倍になります。
赤ちゃん(子ども)の成長に与える影響
1.成長の阻害・知的能力の低下
タバコ煙には鉛が含まれており、身長の伸びが悪くなるほか、脳の働きを悪くして知能の低下を招きます。
子供が11歳になった時の知的能力テストで、喫煙妊婦の子供は、非喫煙妊婦の子供に比べ3~5ヶ月分成績が劣っています。
身長も0.5~1cm低下しています。
2.犯罪者になる確率が高い!?
喫煙妊婦から生まれた子供は、キレやすく、将来犯罪者になる確率が高いというデータがあります。
胎児期の脳がニコチンをはじめ様々な化学物質によって、何らかの障害を受けるためと考えられています。
妊婦の喫煙や幼少時からの受動喫煙によって、子供の注意欠陥多動障害(ADHD)の「他者への攻撃的性格」が現れやすくなります。
影響は特に妊娠初期の喫煙で顕著です。
3.低体重児のリスク
赤ちゃんの低体重化が心配されます。
赤ちゃんが無事に生まれた場合でも、喫煙者の妊婦の赤ちゃんは、非喫煙者の妊婦の赤ちゃんに比べ、平均して200グラム体重が少ないといわれています。
赤ちゃんが低体重で生まれるリスクが2倍とされているのです。
4.流産のリスクが高まる
妊娠中の喫煙や受動喫煙により、正常に妊娠が継続できない確率は確実に高まります。
自然流産の発生率は約2倍。早産率は約1.5倍という研究結果が出ています。
また、周産期死亡率(妊娠22週以降、生後1週間までの赤ちゃんの死亡率)はおおよそ1.4倍といわれています。
タバコの誤飲事故
タバコの誤飲事故は生後6か月~5歳くらいまで、幅広い年齢に起こる事故です。
タバコの誤飲事故は「生後6か月~17か月」の報告件数が多くなっています。その中でも特に「生後6か月~11か月」に断トツに多いのです。
タバコに依存する危険性
タバコを吸ってもストレスは解消されないばかりか、タバコは新たなストレスを生み出す原因となります。
タバコを吸ってニコチンを摂取すると、脳から強制的に大量のドーパミン(快楽を司る神経伝達物質)が放出されるため、喫煙者は一時的な満足感を感じます。
これが、「タバコはストレス解消になる」と感じる仕組みです。
しかし、ニコチンは30分程度で代謝されるため、喫煙者の脳はすぐに、ドーパミン不足による不快感を感じ始めます。
その結果、喫煙者はストレスを感じて、
「次の1本、また次の1本・・・」
と、ドーパミン不足による不快感を補うためにタバコを吸い続けることになります。
三次喫煙の影響?
三次喫煙という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
「三次喫煙」とは、ダナ・ファーバー癌研究所によって作り出された新語で、受動喫煙が終わった後も表面上にまだ残る有害物質を吸入することを指します。
これはもう感覚でわかると思いますが、タバコは吸っている間だけではなく、その煙、果ては吸い終わった後の空間にまで影響を与え続けるということです。
換気扇の下で吸おうが窓を開けてタバコを吸おうが、三次喫煙のリスクは完全には排除できないのです。
壁についたタバコのヤニや、ソファーに染みついた臭いはどんなに拭いてもなかなか落ちませんが、赤ちゃんといえば床を這う・手当たり次第いろいろなものに触る・なめる…想像するだけでも怖いです。
可愛い我が子の為にも禁煙に積極的になりましょう。
家計を打撃!
代表的なタバコ1箱20本入で440円(2020年4月時点)です。
1日1箱ですと1年で16万600円になりますから、これから子供にかかる費用を考えると、家計にも響いてきます。
節約という面からもぜひすぐに禁煙を始めてみてくださいね。
タバコをやめるための工夫
禁断症状は通常禁煙後3日以内にピークとなりますが、おおむね1週間、長くても2~3週間で消失します。
禁断症状を少しでも軽くするために、対処法をやってみましょう。
- 「とにかくタバコを吸いたい!」
→喫煙の代わりになる行動で、吸いたい欲求をそらす- 冷たい水や氷、熱いお茶などを口にする
- 昆布やガムなどを口にする
- 歯を磨く、体操や散歩をする
- 「イライラが止まらない!」
→「ちょっと待て」と口に出して言う
大きく深呼吸をする - 「ボーッとして集中できない!」
→禁煙後しばらくは、ある程度、集中力が低下するもの、あらかじめ仕事の量を減らしておく - 「夜、眠れない!」
→正常な体の反応です。心配ありません。コーヒーやお茶などカフェインの多いものや刺激物をあまり摂らないように心がける - 「喫煙と結びついている行動パターンを変えてみる」
→朝一番の行動パターンを変える
コーヒータイムを控える - 「喫煙のきっかけになる環境を変える」
→部屋の模様替えをする
喫茶店やタバコが吸いたくなる場所を避ける
まとめ
子育て中の家庭において、子どもの悪影響を与えないためには、「家族全員の禁煙が最良の方法」と、この一言につきます。
脳の構造上、ドーパミンが分泌されて、一時的に快楽を味わうも、ストレスを感じて、また吸うという悪循環を断ち切るためにも、まずは禁煙をしましょうね!
非喫煙者の方も、タバコの危険性を認識してより、幸せな子育てを実現しましょうね!
【厚生労働省・タバコと健康に関する情報ページ】
https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/variety/index.html
【JTホームページ】
【このブログ記事を書いた人の自己紹介】